患者さんへの厚い誠意を持つチーム「メディカルパーク横浜」のスタッフたち。そのトップである菊地院長は、先にも触れましたが、腹腔鏡手術の技術と、不妊治療の技術を併せ持つ、数少ないドクターです。
(腹腔鏡手術の技術と不妊治療の技術を併せ持つ医師は少ない)
排卵や着床に影響を与える卵巣嚢腫や卵管水腫、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどがある場合は、手術と不妊治療を併行して行うのが、理想です。外科手術の前に予め採卵しておけば、治療後、スムーズに移植へと繋げることができるからです。特に高齢妊娠になればなるほど、手術によるタイムラグが妊娠力の低下につながるため、婦人科疾患の担当医と、不妊治療医の連携は欠かせません。また、手術をするにしても、その後の妊娠を見据えたうえで、できるだけ侵襲の少ない腹腔鏡手術を行うことが必要になります。
ですがこうした連携や体制は、設備や人材が揃う総合病院や大学病院でしかなかなか実現しないものです。それをクリニックで実践できているという点は、患者さんにとって非常に大きな恩恵です。
こうした菊地院長の技術力こそが、開院以来、患者数を増やし続けている大きな強みの一つ。ですが、実際に取材を通して一番伝わってきたのは、チームをまとめる菊地院長の、同院をどんなクリニックにしていきたいのか、という強い気持ちでした。
たとえば、看護師の舟生さんも、受付の今川さんも、培養士の長崎さんも、話の端々に「菊地院長にならなんでも話せる」と熱い信頼を寄せていたのが印象的でした。改善に繋がることなら、どんな意見にも耳を傾けてくれると。
(患者の手をしっかり握ってくれる人情と、屈託のない笑顔。菊地院長ファンが多いのも頷ける)
松田さんご夫婦もこう話してくださいました。
「仮に残念な結果に終わったとしても、悔いは絶対残らなかったと思います。途中で転院を考えたことも一度もありませんでした。そう思えたのも、スタッフの方々に親身に寄り添っていただき、何より菊地院長から納得のいく治療を受けられたからこそです」
2022年春から不妊治療は保険診療がスタートし、大きな転換点を迎えました。これまで自由診療で行ってきた不妊治療が保険診療になじむのかどうか。さまざまな議論がなされ、当初は現場から困惑の声も多く聞こえてきました。
ですが、菊地院長は保険診療を前向きに捉えています。「使用できる薬が制限されるなど、保険診療による制約は確かにありますが、一方で、どこに住んでいても、一定レベルの治療を同じ自己負担額で受けられるメリットもあります。今は現状のなかでいい結果を出していくことが、我々不妊治療医の使命である」と。
「今後見直しされる可能性もありますが、現時点では採卵の回数に制限は設けられていません。だからこそ、いかにいい卵を採り、グレードの高い受精卵を戻せるか。当院では、なるべく質のよい受精卵が育つよう、採卵を重ねていい卵が採れるよう注力して、治療成果に結びつけています。
保険診療が足かせとなって、これまでのような治療ができなくなったと嘆く先生もいらっしゃいますが、厚生労働省は、不妊治療を保険適用として、そして多くの方に妊娠してほしいと願っています。その思いを我々現場の医師が汲み取って、いかに保険診療で妊娠させるかが、僕たちの役目。今できることを最大限やって、最善の治療をさせてもらうのが、当院のコンセプトです。
あと、もし今通っている治療施設が合わないなと感じたら、転院しやすいのも、不妊治療ならではだと思います。外科手術は、一度手術をしたらなかなか“次”とはいきませんが、不妊治療は周期ごとに治療施設を変えられる。多くの患者さんが、限られた回数のなかで納得のいく治療が受けられることを願っています」(菊地院長)
今年で開院4年目を迎える、メディカルパーク横浜。不妊治療の未来にも目を向けつつ、菊地院長はじめスタッフ一人ひとりが持てる力を結集し、今日も患者さんに最善の治療とホスピタリティを届けています。