日本の社会は、踏み込んだ性教育を行うことがタブー視されています。とりわけ妊娠や出産については、「若いうちは避けるべき」ということばかり強調され、女性の幸せという観点から妊娠や出産が教えられる機会はほとんどありませんでした。日本はこんなに安全で経済的にも恵まれた国なのに、世界幸福度調査をみたとき、日本の幸福度は低いことで知られています。これまでの男性優位の社会において、「女性の幸せとは何か」という教育が欠如してきたことと無関係ではないと思います。
もちろん、女性の幸せが子どもを産むこととは限りません。ですが、「望むときに子どもを持ちたい」という願いを叶えたいと思ったときのために、幼少期から学校教育や家庭教育を通し、科学的に自分の身体や性の仕組みを知っておくことは不可欠です。不妊の知識もその一つ。知識があればおのずと自分の身体と心を大切にしようと思うでしょうし、それが結果的に私たちの幸福度に繋がっていくのだと思います。
どんな言葉にも、真摯に耳を傾けてくださる古川先生。