未来を描いてみる授業
- 「キャリア形成と子どもを持つ・持たない・持てないを考える」
キャリアプランを考える時、知っててほしい
不妊の現状
なぜ、この授業が必要なのか。
その背景は、多くの社会人たちが、子どもが欲しいのにできず苦悩している社会情勢にあります。
そして、「若い時に正確な知識や情報を知っていれば、もっと違う選択や生き方があったのではないか」と、知らなかったことを嘆く人が多いからです。
「妊娠には適した時期がある」「子どもができない原因の半分は男性にある」「子どもを願い努力することは恥ずかしいことではない」「不妊治療をすればみんなができるわけではない」「子どもができないことと人間性は関係ない」等々、そんなあれこれについて、社会に出る前に、学生の頃から知っておくことが大事だとモリーブでは考えています。
授業では当事者の体験や事例をご紹介したり、将来起こり得ることについて自分事として想像していただくために、仲間とのグループワークの時間なども設けています。
ヘルスリテラシーの育成― プレコンセプションケア*の視点から ―
将来のライフプランをイメージしていく上で、ライフイベントである妊娠・出産について知っておくことは大事なことですが、これからの時代はそれ以上に、不妊の知識と現状についての知識を得ておくことが重要です。子どもを持ちたいという願いが叶わないこともあり得るということを、我々人間の体のメカニズムの知識を通して学び、ヘルスリテラシーを身につけることを目的としています。
授業内容
- 妊娠とは / 不妊とは
- 妊娠のしくみ / 妊娠適齢期 / ”不妊“ってどういうこと? / 男性不妊って?
*プレコンセプションケアとは=コンセプションは”受胎(お腹の中に新しい命を授かる)”という意味ですが、将来の妊娠を考えながら、自分たちの生活や健康に向き合うことを意味します。2006 年に米国疾病管理予防センター(CDC)が提唱し、2012 年に世界保健機構(WHO)で定義づけされています。
ライフキャリアの創造力の育成
日本では2007年よりキャリア教育が推進されています。キャリア教育とは、一人一人が社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現するための力を育む教育です(文部科学省HP)。働くことだけが人生ではありません。就業含めた自己のライフキャリア(*1)を創造していく力も必要です。人生にはさまざまなことが起こりますが、何が起こっても生き抜く力、自ら人生を切り開く力、そして打たれ強いレジリエンスを養成することを目的としています。
授業内容
- 未来をイメージしてみよう
- キャリアってなに? / キャリア形成とライフキャリアについて / 子どもを持つ・持たない・持てない場合のライフキャリアは? / 妊娠・出産・子育て等のライフイベントを考える
*1: 仕事のみならず、個人の活動(自己啓発・趣味)など、生活全般において生涯にわたり果たす役割や経験の積み重ねのこと
「多様性を受け入れる(ダイバーシティ&インクルージョン)」意識の育成
わたしたちの社会には、性別や年齢、国籍、文化、生き方、価値観、経験など、さまざまなバックグラウンドを持つ人が暮らしています。ここでは、子どもを持つ・持たない・持てないといった視点からの多様性を考え、その立場を受け入れながら共に生きていくあり方を考えます。
授業内容
- 子どもの有無で、人の価値は決まるの?
- 将来子どもができなかったら? / パートナーに原因があったら? / 多様な立場や生き方、選択について考える